クッシング症候群は人間でもかかる病気ですが、よく聞くのはやはり犬の病状ではないでしょうか。
私の愛犬も以前クッシング症候群の疑いがあり、かなり色々調べて対策をおこなったので(※結果としては違いましたが)自分の愛犬がクッシング症候群ではないかと心配されている方や、クッシングなのかどうか判断できなくて困っている方がいたら参考にしてもらいたいです。
呼び方
クッシング症候群は1932年にアメリカのクッシング医師が病気を発表したことから名付けられているそうです。動物病院ではイントネーションが最初に来る「クッシング」という風に伝えられます。私は当初「屈伸」の言い方で最後に「グ」をつけるような言い方で話していたのですが、修正しました。みなさんも動物病院に行く時に正しい発音で話すと知っている人だなと思われます。
クッシング症候群を疑った理由
愛犬がクッシング症候群でないかを疑った理由は、ある時に胆泥症から胆管閉塞になり、黄疸も発生して入院になってしまったことがあり、病気自体は治ったのですが多飲多尿が収まらなかったためです。多飲多尿は腎臓の病気であるケースが多いので検査をしたのですが悪い数値は見つからず、胆泥症の影響かストレスなどが原因でしばらくしたら治るのではないかという診断でした。ただし3ヶ月経っても一向に治らず、元々体重5kgに対して1日200ml程度の飲水量だったのが、1日350~400ml程度まで増えてしまいました。多飲多尿というにはギリギリのラインではあるのですが、以前と比べて急激に増加したということもあり、色々な原因を調査した結果、クッシング症候群の可能性があるのではないかと判断しました。
クッシング症候群の特徴
クッシング症候群の犬の主な症状は以下の通りです。
- 多飲多尿
- お腹が膨れる
- 食欲が旺盛になる
- 毛が薄くなる
- 息が荒くなる
- 運動しなくなる
我が家の場合はお腹が膨れる・毛が薄くなるという代表的な症状が出ていなかったのでそれほど心配していなかったのですが、調べてみると、多飲多尿だけでもクッシングであるケースもあるようです。
クッシング症候群の検査
クッシング症候群は副腎皮質機能亢進症と呼ばれているように、副腎の病気です。副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に生成されてしまう病気です。原因は副腎自体に問題がある場合、脳の下垂体に問題がある場合があります。愛犬の場合は最初にACTH刺激試験をおこなってから原因を調査していくことになりました。ACTH刺激試験はホルモンを注射して、血中コルチゾールの増加率を調べる試験で、8割がた診断ができるようです。
愛犬の結果は、大幅ではないが標準値オーバーでクッシング症候群の可能性が非常に高いと言われました。脳の問題か副腎の問題かを調査して今後の対策を決めるが、治らない病気なのでどうするか飼い主さんが判断してくださいと医師に言われました。
検査は脳のCTもあり、治療も結局は高額の薬を飲み続けて症状が出ないようにするだけということで、頭の中が真っ白になりました。
クッシング治療の方向性
家族とも相談し、今のところ多飲多尿以外は大きな症状も出ておらず、どのみち完治もできないものなので少し様子を見ることになりました。ただし少しでもできることはやってみようということで色々調べると「リグナン」「メラトニン」が効果があるという記事がありました。人の場合でもメラトニンはクッシングに効果があるという岡山大学の記事もあり、やれるだけやってみることにしました。
クッシングとリグナン・メラトニン
サプリを買うことにしましたが、そもそもメラトニンは日本で購入できないのとリグナンのサプリもいいものがないため、アメリカのamazonで購入することにしました。メラトニンは日本への輸入は1回1瓶のみに制限されていますが、リグナンも合わせて問題なく購入でき、2週間もたたずに到着しました。ペット用のものもありますが、人間用のもので問題ありません。ペット用のサプリは味や匂いがついているのですが、そもそもアメリカのamazonでは日本への配送ができない対象となっていました。リグナンはカプセルの中に液体で入っているものと粉が入っているものがありますが、液体(亜麻仁油)のものは分けるのが難しいので粉が入っているものにしましょう。リグナンは1ポンド=0.45kgあたり1~2mgがよいとのことなので、5kgの犬であれば12mg~30mgくらいで十分です。カプセルから一度全て取り出して小さい薬さじなどで計量して1日1回与えましょう。メラトニンはなるべく弱めのものをおすすめします。メラトニンは錠剤なので使いやすいです。こちらは5kg程度であれば1mgを一日
2回与えましょう。
サプリの効果と結果
サプリを飲み続け、かすかに残る腎臓病の可能性のため腎臓用フードを与え続けましたがあまり状況はよくなりませんでした。結局セカンドオピニオンで別の動物病院に行きましたが、そこでは副腎の大きさや状況をエコーで確認してもらい、結果としてはクッシング症候群ではない可能性が高いという診断になりました。ACTH刺激試験は興奮しやすい犬の場合は数値が上がり過ぎてしまうこともあり、そのせいではないかということです。また、多飲多尿も加齢の影響もあり、多少腎臓が傷んでいるかもしれないが、それほど気にすることもないという診断でした。
結局今までのサプリはあまり意味がないという結論になってしまいましたが、リグナンとメラトニンは本当にクッシングの場合は薬に頼らず症状が出るのを抑えられる可能性もあるので有効だそうです。お困りの方はチャレンジしてみてください。容量を守れば身体に悪いものではないのでそれほど心配はいらないはずです。